新しい宇宙パラダイムへのシフト
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新しい宇宙パラダイムへのシフト
宇宙旅行の実現のためには、現在の古い宇宙パラダイムから新しい宇宙パラダイムへのシフトが必要です。現在の古い宇宙パラダイムに基づく宇宙開発は国家レベルの活動であり、一般的なイメージとして宇宙旅行はかなり未来の話で有人宇宙開発の延長で実現されると考えられています。しかし、宇宙旅行は古いパラダイムの基では何年たっても実現できないでしょう。なぜならば、宇宙旅行は国家レベルの有人宇宙開発ではなく、宇宙への一般大衆の輸送サービス・ビジネスであり、国家が目指す宇宙開発の方向と違うため、現在まで世界の国々の宇宙局(NASA、JAXA、ESAなど)も国家として宇宙旅行を実現することを目指してこないために、実現できないのです。この古いパラダイムが宇宙旅行を実現ができない大きな原因なのです。
新しいパラダイム(航空業界的アプローチ)
一般大衆の輸送サービス・ビジネスである宇宙旅行は、現在の航空の世界と非常に似ているものになり、イメージしやすく、今までの古い宇宙パラダイムと全く違う”航空業界的アプローチに基づく新しい宇宙パラダイム”により実現されることになります。新旧パラダイムの違い、考え方、目指す方向性、イメージ等は次にようになります。
古い 宇宙 パラダイム | 新しい 宇宙 パラダイム | |
---|---|---|
活動 | 国家レベルのプロジェクト(公共工事)として国民の税金を使って宇宙に行く(有人宇宙開発) | 一般大衆への輸送サービス・ビジ ネスとして宇宙に行く(宇宙旅行) |
対象(人) | 宇宙飛行士や一部のお金持ちだけが宇宙に行ける | 誰もが自由に宇宙に行くことができる |
輸送機 | 使い捨てロケット | 再使用型宇宙輸送機 |
安全性・快適性 | ロケット射場から危険で過酷な訓練に耐えて命がけで宇宙に行く | 宇宙空港から訓練なしに飛行機のように安全・快適に宇宙に行く |
飛行頻度 | 多くて年に数回程度(特別) | 毎日のように宇宙に行く(日常) |
輸送コスト | 使い捨てのため、製造費=輸送コスト(高額) | メンテナンスと燃料費(低価格を実現) |
チケット代(1人) | 30億円以上(現在の宇宙旅行サービスの場合) | 数百万円程度(目標) |
品質・設計・実証 | 宇宙品質(高信頼性部品使用) 高信頼性設計 地上試験での実証 | 航空機品質 統計に基づく設計・改善 テストフライトによるライセンス取得 |
管轄(米国) | 宇宙局(NASA) | 航空局(FAA) |
上記のとおり、古いパラダイムと新しいパラダイムでは全く異なり、古いパラダイムの基では宇宙旅行は実現困難だとわかります。新しい宇宙パラダイムは現在の航空業界と同様な世界、考え方、ビジネスモデルになり、パラダイムシフトによって一般大衆向けの宇宙旅行を実現することができるようになります。
宇宙旅行は宇宙開発ではなく一般大衆への宇宙輸送サービス・ビジネス
NASAやJAXAやESAなど世界の政府の宇宙局が行っている「宇宙開発」の目的は主に技術開発で、特に衛星とロケット技術や遠い将来、宇宙に暮らすための技術の開発が重要と考えています。一方、航空産業での政府の役割はこれとは違います。その産業が商業活動として成功するために人気のあるサービスを多くの人に提供することを目的にしています。従って、一般の人に安全で快適で、楽しいサービスを提供することに努力し、力を注ぎ誰でもが平等にサービスを受けることができ、また、楽しみを提供するため、様々な乗客が喜ぶサービスを提供しています。こうしながら、航空産業は宇宙産業と比べて、せいぜい2倍程度の歴史ですが、関係産業も含めて数千万人の雇用をつくって、宇宙産業の約百倍もの産業になっています。宇宙旅行は、この様に航空産業と同じような世界のビジネスなのです。航空産業は一般の人が求めるサービスを提供するので、航空産業が関連する他の産業の成長にも貢献しています。特に観光産業は世界経済の中で巨大な産業の一つになっています。そして、宇宙旅行産業も同じように、ホテル、スペースポートなどその他の関連産業も合わせると、約十倍になると考えられ、他の関連産業、特に観光産業に大きく貢献すると考えられます。これは、現在の宇宙産業に比べて、経済的な価値が高く、アメリカの国内市場調査によると、最初のフェーズのsuborbital弾道飛行サービスを提供するだけで、売上高は毎年数千億円になると報告されています。これは、世界中の商用衛星打ち上げビジネスより数倍大きいものです。