段階的ORBITAL SPACEPLANE開発
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段階的ORBITALSPACEPLANE開発
新しい宇宙時代をつくるためには、誰もが宇宙に自由にアクセスするための宇宙輸送機が必須であり、宇宙旅行の実現がこれを可能にします。このプロジェクトは、宇宙旅行実現のため、数分間の宇宙体験ができる宇宙への弾道往復飛行(suborbital)ではなく、人工衛星や宇宙ステーションが飛行している地球周回軌道(orbital)までアクセスできる宇宙輸送機 (spaceplane)の開発を目的としている唯一のプロジェクトです。
開発に当たっては、最初から技術的に高難度で、高コストでリスクの高いorbital spaceplaneを開発するのではなく、開発全体で一貫性をもった段階的開発方式として 最終目的のorbital spaceplane開発に向けて、段階的にそれぞれのステップで要素技術の開発を行います。そして、各開発の成果を次のステップに反映していくことで、各要素技術を実証しながら、確実に開発することでリスクを低減します。また、各ステップで開発したspaceplane は技術実証だけでなく、suborbital宇宙旅行サービスなど、それぞれのレベルでのサービス・ビジネスに有効利用し、利益を次ステップへの開発資金に当てていきます。
SUBORBITALによる段階的開発によるリスク低減
使い捨てロケットとは異なるスペースシャトルは再使用型を目指していましたが、当時の技術で地球を周回するorbitalを初めから開発しようとしたことが失敗の大きな問題のひとつだったと考えられます。初めから技術的に難しいorbitalではなく、段階的に開発することでリスクを低減していく必要がありました。suborbital弾道飛行は高度100km程度の宇宙に弾道飛行で往復するものです。宇宙輸送機やロケットで一番の技術課題は、飛行に必要な速度と推進力を如何にして得るかということで、そのために必要なエネルギー(推進力)の確保が重要なのです。suborbitalに必要な速度は約1km/秒で、orbitalでは約8km/秒でエネルギーは速度の2乗に比例するので、orbitalはsuborbitalに比べて約64倍ものエネルギーを必要とし、特にリスクの高い大気圏への再突入時の温度で2000℃もの高温になり、これが非常に開発を困難にします(逆に言えば、suborbitalはorbitalと比べて容易であると言えます)。このように、spaceplaneの開発としてsuborbitalで始めることにより、実際に何度も宇宙への飛行を経験することで、技術を成熟させ、次のステップに進んでいくことで、本当の目的であるorbitalの完全再使用型宇宙輸送機開発を結果的に着実に、リスクを少なく、早期に実現させていくことができます。
XLINER SPACEPLANE PROJECTではsuborbital spaceplaneのASCENDERの開発に先立ってより簡単でコストと時間のリスクの低いdemonstrator spaceplaneのMICROSONICも計画しており、まずはフライトデモンストレーションによる実証を行い、実際にプロジェクトの実現性を投資者やプロジェクト参加者の方に実感していただきたいと考えています。また、MICROSONICを使ってエアーショーなどのプロモーション活動を行い、次ステップへの投資喚起に役立てます。